[米国株式市場の終値状況]
奴隷解放記念日の「ジュンティンズデー」で休場した米ニューヨーク株式市場の3大指数は20日(現地時間)、まちまちな動きで取引を終えた。最近の株価上昇による疲労感が蓄積され、利益確定売りが出回り、市場が休息している様子だ。
これに先立ち、S&P500指数とナスダック指数は18日、NVIDIAの強気に支えられ、史上最高値を更新した。今年に入ってそれぞれ31回目、20回目の最高値更新だった。パイパー・サンドラーのクレイグ・ジョンソンマネージング・ディレクターは、「S&P500指数とナスダック指数の強気のモメンタムはそのまま維持されるが、短期的な買われ過ぎの状況なので、株価が後退や調整に弱い」と分析した。
ウォール街ではS&P500指数が年末に6000ドルを突破するだろうという予想まで出ている中、市場では今後の株価動向をめぐって見通しが分かれている。シティグループのスコット・クロナート米国株式戦略チーフは、「ウォール街が根本的な米国経済と違う太鼓を叩き続けていることが驚くべきことなのか」とし、「間違いなく生成型AIの影響力が成長動力として現在の米国株式環境に浸透している」と診断した。
ただ、現在の株価が買われ過ぎであるという懸念も提起される。R.J.オブライエン&アソシエイツのトーマス・フィッツパトリック・マネージング・ディレクターは、「市場は私たちが耐えられるよりも長く非合理的な状態を維持することができる」としながらも、「AIテーマは(ドットコムバブルだった)2000~2001年のような感じを与える」と指摘した。
この日発表された雇用、住宅などの指標は、米景気が減速の兆しを見せているという見通しに力を与えた。米労働省によると、先週(6月9~15日)の新規失業手当請求件数は23万8000件で集計され、専門家の予想値(23万5000件)を若干上回った。一週間前の24万3000件(修正値)より減少した規模だ。新規失業手当請求件数は企業の解雇動向を反映する。最低2週間以上失業手当を申請する継続失業手当請求件数は6月2~8日週の182万8000件で、前週比1万5000件増加した。
5月の住宅着工件数は、前月比5.5%減の127万7000件で集計された。専門家の予想値(137万件)と前月(135万2000件)をともに下回った。先月の建築許可承認件数は、前月比3.8%減の138万6000件で、予想値(145万件)と前月(144万件)をともに下回った。
この日も米連邦準備制度(Fed)当局者の発言が続いた。ニール・カシカリ・ミネアポリス連邦準備銀行(FRB)総裁は、米国のインフレ率がFRBの目標値である2%に戻るには1~2年かかる可能性があると予想した。現在の賃金上昇率が高すぎることを根拠に挙げた。
[特徴銘柄]
大型株
NVIDIAが序盤の上昇をすべて返上し、3.54%下落した。先月18日にMSを抜いて時価総額1位に浮上したが、次の取引日だけで再び2位に後退した。
アップルも2.15%下落した。
TMTG
ドナルド・トランプ前大統領が作ったソーシャルネットワークサービス(SNS)トゥルーソーシャルの親会社であるトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)は、新株発行のニュースで14.56%急落した。
アクセンチュア
グローバルコンサルティング企業のアクセンチュアは、最近の業績不振にもかかわらず、AI事業で頭角を現し、7.29%急騰した。
AMD
パイパー・サンダーラーがトップピックに選定し、株価が4.6%上昇した。
スーパーマイクロコンピュータ
スーパーマイクロコンピュータは日中5%急騰したが、0.26%上昇で取引を終えた。イーロン・マスクは、同社がxAIがスーパーコンピュータを作るのを支援すると述べた。
[欧州株式市場の終値状況]
20日(現地時間)、欧州主要国の株式市場は一斉に上昇した。Nvidia発の追い風で技術株を中心に買いが入る中、市場はこの日、イングランド銀行(BOE)をはじめとする主要国の中央銀行の金利決定を消化した。
欧州総合指数であるSTOXX600指数は、前場より4.78ポイント(0.93%)上昇した518.91で取引を終えた。この日の終値基準で汎欧州指数は今週に入って最高値を記録した。
ドイツ・フランクフルト市場のDAX指数は186.27ポイント(1.03%)上昇した1万8254.18、フランス・パリ市場のCAC40指数は101.14ポイント(1.34%)進んだ7671.34で取引を終えた。英ロンドン市場のFTSE100指数も67.35ポイント(0.82%)上昇した8272.46で取引を終えた。
[中国株式市場の終値状況]
この日、上海総合指数は0.42%下落した3,005.44、技術株中心の深セン総合指数は1.88%下落した1,655.85で取引を終えた。
この日、中国株を押し下げたのは、人民元安に対する懸念だった。最近の継続的な人民元価値の下落に伴う資本流出に対する警戒感が市場に深まり、売りが優勢になったという分析が出た。
米中対立に対する警戒感も続き、指数の上値を制限した。 中国当局の政策支援に対する期待感は、投資心理を支える要因となった。
[国際原油価格]
8月インドの西部テキサス産原油(WTI)価格は前日より0.53ドル(0.66%)上昇し、1バレル当たり81.24ドルで取引を終えた。8月限ブレント原油価格は0.09ドル(0.11%)上昇し、1バレル当たり85.72ドルで取引を終えた。
[金]
金現物は1トロイオンス当たり1.37%上昇して2,360.16ドルを記録し、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物は1.14%上昇して2,373.60ドルで推移した。
[仮想通貨]
ビットコインは日本時間午前6時30分、0.24%上昇した65,276.0ドルで取引された。